監督:ジェフ・ニコルズ
出演:ジョエル・エドガートン、ルース・ネッガ、ウィル・ダルトン
撮影:アダム・ストーン
音楽:デイビッド・ウィンゴ
123分
お見事です!
リチャードとミルドレッドのラビング夫妻。彼らは当時違法とされていたヴァージニア州での異人種間の婚約を理由に逮捕され、裁判のすえ故郷を追われる羽目に。それに納得のいかない彼らは法さえも変える戦いに乗り出すが…。
素晴らしく見応えのある作品でした。
映画ファンとして恥ずかしい限りですが、実は僕このジェフ・ニコルズ作品は前作『ミッドナイト・スペシャル』以外は未見で、しかもそれがまったくハマらなかったもんだから正直自分にはこの人苦手な監督だなと思い込んでいました。
ただこの作品はそんな苦手意識ありな僕でも素直に心に届く力作でした。
そしてその理由は間違いなく主演のルース・ネッガとジョエル・エドガートンの2人。とりわけジョエル・エドガートンは彼の作品は数多く見てきましたが、これは間違いなく彼のベストパフォーマンス。
アメリカ中西部の田舎町で暮らす、不器用でぶっきらぼうながらも心優しいリチャード・ラビングというキャラを微妙なニュアンスと繊細な表現力で見事キャラクターに命を吹き込み、圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。
ただこの作品の問題点は、おそらくこれはこの監督のトレードマークだと思うのですが、前半をちょっと丁寧に作りすぎて、非常に長くテンポが悪いこと。
ここでちょっと眠くなってしまったのが僕的にはマイナスポイント。
しかしそれ以外はドラマもしっかりしており、『ミッドナイト・スペシャル』のような「アホか?」な描写も少ないので、しっかり集中して見られました。
またシネマトグラフィーも非常に美しく、60年代初頭アメリカの田舎町を非常に情緒豊かに描写しており、そこも見ていて非常に楽しめたポイント。『ミッドナイト・スペシャル』の時はほぼ夜で画的にはとてつもなくつまらない映画だったので、今回のは嬉しいサプライズ!
まとめると非常によくできたヒューマンドラマでした。
俳優陣の力強くもサトルな素晴らしいパフォーマンスと、それを見守るかのような丁寧な演出は一見の価値ありです。是非とも劇場でご覧あれ!
トレーラー
IMDb 7.3/10
Rotten Tomatoes 89%
metacritic 79/100
日本公開:2017/03/
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