監督:バー・スティアーズ
出演:リリー・ジェームズ、サム・ライリー、ベラ・ヒースコート
撮影:レミ・アデファラシン
音楽:フェルナンド・ベラスケス
108分
まぁ悪くはないけど…。
ベネット家で勝気に育てられたエリザベスは結婚を望む母親の言うことを聞かず、自ら望む人生を生きていた。そんなある日、社交場で名家のダーシー氏と知り合うがお互い素直になれずぶつかってばかり。そんなある日、ゾンビの感染は猛威を振るい、しまいにエリザベスたちの住む地域にも彼らの大群が押し寄せていた…。
コンセプト的には面白いです。さすがリンカーン大統領は実はバンパイア・ハンターだったというトンデモ設定のグラフィックノベルを手がけたセス・グレアム=スミス原作だけあります。
ただ本作、あまりにもジェーン・オースティン寄りにいきすぎて、ポスターで推してるようなゾンビ色がもうちょっと欲しかったのが本音。
というわけでかなり色恋沙汰の話が多いです。これはラブストーリーの古典である『高慢と偏見』が骨組みになっているので、たしかに構造的にはちゃんとしていて楽しめるんですが、なんというか最終的に作品のターゲットがどっちつかずになってしまってかなりもったいなかったですね。
ゾンビファンにはもっとパンクでロック、そしてゴアな描写が必要ですし、オースティンファンにはちくいち挿入されるホラー描写が結構うざったかったりします。
また、こんな終末世界を描いているのに予算があまりに少ないせいで、かなり抑えられているのを感じる作りでした。
これもまた色恋沙汰に話の大部分を割いた理由なのかなと。
しかしキャストはなかなか好演でした。
リリー・ジェームズはオースティンが描いたようなエリザベス像をしっかりと体現しながらゾンビアポカリプスの中強く生きる強い女性をしっかり演じていました。
カッコよかったわぁ。
あとサム・ライリー。僕この人のことは今作で初めて知ったのですが、なかなか癖のある演技をする人だなとちょっと興味をそそられました。あと声が非常に特徴的。これから伸びそうな予感がします。
またベネット家の姉妹を演じた女優が綺麗どころ揃いで、とりあえず目の保養にはなりました笑
ただレナ・ヘディに関しては無駄遣い感が否めない…。もっとアクション見せてくれるのかと思いきや、基本的に座っているだけ…笑
ところどころ「おぉっ」とあがる場面もありますが、基本的には話に波がなく画的にも面白みがないので集中力が続きません。
映画序盤に彼女らがゾンビたちを次々と撃退していく様子をスローモーションで描いているショットがあるのですが、これはまぁめちゃくちゃかっこいいです。ただこれがこの作品の一番のハイライトだったかな笑
まとめると、思ったほどは悪くなかったです。
ただ見どころがないので盛り上がりどころが分からないのと、「高慢と偏見」と「ゾンビ」のバランスが非常に悪いので、終始中途半端でした。
まぁレンタルで観れば十分かなと思います。
トレーラー
IMDb 5.8/10
Rotten Tomatoes 42%
metacritic 45/100
日本公開:2016/09/30
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