2016/05/28

"The Angry Birds Movie" 『アングリーバード』

監督:クレイ・ケイティス、ファーガル・ライリー
出演:ジェイソン・サダイキス、ジョシュ・ギャッド、ダニー・マクブライド
音楽:ヘイター・ペレイラ
97分

ん〜〜〜、んまあ…ねぇ...。

鳥の島に暮らすレッドは島唯一のひねくれ者。ある日、その島に緑の豚たちが現れ、住人の鳥たちに取り入っていく。レッドだけは何かがおかしいことに気づくも誰も相手にしてくれない。そしてついに豚たちは行動に移り、島にある卵を彼らの暮らす豚の島に持って行ってしまう。果たして鳥たちは大事な卵を豚たちから無事奪い返すことができるのか…。


大人気モバイルゲームアプリの映画化。
というわけでまぁ一体全体この作品に何を期待すればいいのでしょうか?
そして実際にそんな我々の期待通りの結果に終わりました。

まず明らかに、ストーリーが長編アニメーションと呼ぶには程遠いほど足りていないのがひしひしと伝わります。
時間稼ぎのトークやつまらないジョーク、意味のない歌などが続き、正直開始15分ほどでこの作品への興味を失いました。
ただ視覚的にはけっこう動きがあるので、見るもの、聞くものがあったからただぼーっと見ていたような感覚です。

そもそもこの映画の元になったゲーム、おそらくみなさんプレイしたことあるかも分かりませんが、本当に鳥を飛ばして物を破壊するだけです。

それなら映画用に何かストーリーを作れば良かったのかもしれませんが、今作は特にそういうことはせず、ただ後半のゲームさながらの鳥飛ばしシーンをやりたいがための作品だったと思います。

というわけでまぁ前半のひどいこと…。

話が進まない進まない。ジョークも9割方不発!
キャラクターのデヴェロプメントもまったく足りておらず、正直朝早く起きてこんなものを観ている自分のメンタリティを疑いました。


そんな本作ですが、やはりゲームが人気になった理由でもある、鳥たちが飛んでいって物を破壊していく様は観ていて非常に気持ちが良かったです。
というわけでそれが始まる後半はかなり楽しめたのは事実です。

そうなると本当にあの死にそうなほど退屈だった前半が非常に惜しく感じます。
3人もいるストーリーアーティストたちはもう少しいいアイディアを捻りだせなかったのでしょうか…。

そしてアニメーションに関しても非常にうまく出来ており、カートゥーニーでありながらしっかり現実感のある「不完全さ」をアニメーションで表現できていたことに驚きました。例えば、目の動きなんかはキャラによって泳いだりしていて、こういう細かいディテールがアニメーションをもう一歩上のレベルに押し上げているように感じます。



さてそんな本作ですが、声優たちはかなりいいとこ揃い。

主人公のレッドを演じているのはジェイソン・サダイキス。
日本ではあまり有名ではないですが、彼が主演の『なんちゃって家族』という映画がと昔前にしっかり劇場公開されましたね。
この人、ばっちりハマってます!常にひねくれた物言いがこのキャラにぴったりでした。

そして彼の相方としてジョシュ・ギャッドとダニー・マクブライドがそれぞれチャックとボムを演じていますが、彼らもキャラに合っていたと思います。
ていうかこの3人すごく相性が良かったです。駆け引きとかばっちり!(ただこのキャラクターの相性が良かったわけじゃないのが惜しいけど…。)

他にも"Keanu"でも紹介したキー&ピールのキーガン・マイケル・キーも主要キャラで、そしてヴィランの緑の豚をビル・ヘダーが演じております。

そしてまぁなんとあのショーン・ペンも参戦。正直ショーン・ペンの必要ある?って感じの役どころですが、まぁこれもなにかのジョークなのかなと笑

というふうにアメリカのコメディ界のいいとこがかなり勢ぞろいした作品です。

後半の巻き返しと声優たちの熱演。そしてアニメーションのレベルの高さから、本当に前半の残念さが際立ちます。

これなら後半40分ぐらいだけ観て帰りたかったのが正直なところかな笑

トレーラー

IMDb            6.5/10
Rotten Tomatoes         42%
metacritic          43/100

日本公開:2016/10/01

追記:
2016/05/30 - 邦題、日本公開日変更しました。

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