監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
出演:クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・ジュニア、アンソニー・マッキー
撮影:トレント・オパロック
音楽:ヘンリー・ジャックマン
146分
度重なる地球の危機を救ってきたアベンジャーズであったが、同時に甚大な被害ももたらした。ついに政府はアベンジャーズを国連の管理下に置く法案を作り、残るはアベンジャーズ各メンバーの承認が必要なだけであった。自らの行動の責任を感じ、サインすることに決めたアイアンマンや、ブラック・ウィドウ、そしてヴィジョンなどであったが、法案に納得のいかないキャプテン・アメリカ、そしてスカーレットウィッチなどは彼らと対抗することに。時を同じくして、姿を消していたスティーブの親友ウィンター・ソルジャーが爆破テロの容疑者として浮上したことから、キャプテン・アメリカは親友を助けるため、これまで共に戦ってきた友人たちと対峙することになるが…。
素晴らしいです!
すべてが入念に練られ、考え込まれて作られたとんでもないアクション活劇映画です!
まずアクション!
んもうすっっっっっっっごいです!
荒唐無稽なスーパーヒーロー映画でありながら、その枠を超えた超絶リアリスティックな生身のアクションが繰り広げられ、もはやこれだけでご飯3杯いけるぐらいの満足度!
とてつもなく難しいスタントをCGIではなく、これでもかと実写で魅せてくれ、そのサービス精神にこちらはお手上げです。
ちなみにクレジットにADとしてチャド・スタエルスキ(『ジョン・ウィック』の監督でキアヌ・リーブスのスタントマン)の名前があったので、どうりであんなにマーシャルアーチーな振り付けだったのかと、ちょっと納得。
というわけでオープニングのアクションシークエンスからもう生身の人間の殴り合い、取っ組み合いを凄まじい迫力で魅せてくれます。
ここでまずがっつり心を持ってかれます。
次にキャラクター!
1本の映画では収まりきらないほどキャラクターが多い本作ですが、それがまったくと言っていいほど作品の足を引っ張っておらず、それぞれのキャラが起こす行動の裏にある心理までしっかり描写されており、隅々まで手が行き届いているのがすごいです。
これは並大抵の努力ではまずなし得ないほど大変な作業ですが、この作品では非常に上手く描けており、そこにも感激。キャラへの愛を感じます。
新たに参戦したブラック・パンサーや新生スパイダーマンなどもどういう人物かしっかり観客に分からせつつ、メインのストーリーの足を引っ張るほど出ずっぱりではありません。
またなぜそのキャラが本作に必要だったのか、その動機づけがしっかり描けているため、我々観客も構えることなく彼らを迎え入れることができます。
そのキャラクターのデヴェロプメントのさじ加減が素晴らしいです。
ゲスト出演のアントマンも思わぬ大活躍(笑)で、登場時間少ないながらも、この作品のお気に入りシーンの一つに入っています笑
そしてストーリー。
こんなコミックが原作の夏のブロックバスター映画にこれほどまで練られたストーリーがあるなんて一昔前では考えられませんでした。
それをこの『シビル・ウォー』は、構成からストーリーのビートのうちかたまで、もうすべてが完璧に考えられています。
とりわけ回想シーンがこの映画で果たす役割とその見せ方ときたら、鳥肌モンです!
映像はやはりアメコミ作品なのでいつもどおり見ていて楽しいです。
CGIに関しても(個人的に)ひさしぶりにILMが本領を発揮した作品のように感じました。
最近のILMはちょっと物量に任せすぎな感じがしていたので、やっと実写とCGIのバランスがいい作品に巡り合えたような気がします。
この作品は近年乱立しているアメコミ映画群の数少ないクラシック的な立ち位置となるでしょう。正統派な作りでありながら、しっかり観客を楽しませ、物語的にも視覚的にも驚かせることに成功している稀有な作品。
アメコミのことよく知らないとか、あんまり好きじゃないとか言って見逃すにはあまりにもったいない、大傑作アクション活劇です!
必見!
トレーラー
Rotten Tomatoes 90%
metacritic 75/100
日本公開:2016/04/29
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