2016/04/09

"Hardcore Henry" 『ハードコア』

監督:イリア・ナイシュラー
出演:シャルト・コプリー、ヘイリー・ベネット、ティム・ロス
撮影:パシャ・カピノス、セボロド・カプトゥール、フェドール・ライアス
音楽:ダリア・チャルーシャ
96分

酔いました。

ある日ヘンリーは謎の研究室で何の記憶も無いまま目が覚める。目の前には妻と名乗る美しい女性。そして自分の体は半ロボット。そこにヘンリーの技術を奪おうと謎の組織エイカンが現れる。
はたして彼の正体は?そしてエイカンの目的とは…?


覚悟はしてましたが、やはりダメでした。めちゃくちゃ酔いました。
そもそもFPSのゲームを1時間以上プレイできない僕には、この90分ちょいのしかもほとんどアクションが続いている一人称視点映画を観続けるのは無謀でした。

とはいいつつしっかり最後まで観たので、とりあえず軽く感想を。

まず驚いたのがアクション!
スタントチームとエフェクトチーム、めっちゃいい仕事してました!

間違いなくこの撮影、困難を極めたはず!
しかし妥協せずほぼ全てのアクションをしっかりリアルに見せているのがすごい!
VFXに関しては残念ながらかなりしょぼいところもあったけど、この規模の映画だしそこまでは求めてなかったので良しとします。

とりわけトレーラーにもある輸送車を襲撃するアクションとクライマックスのファイトシーンは素晴らしい臨場感でした。
バイクでバンを貫通して走り抜けるのとかマジでどうやったのか知りたい…。

がしかしこれはもろ刃の剣でもあり、後半からだんだんこれに慣れてきて映像の凄さが分からなくなってきます。

ということもあって個人的には後半からは一人称視点ではなく、工夫して他の視点も作ってしっかり画で見せて欲しかったかな、というのが正直なところ。

例えば『クロニクル』では後半からファウンドフッテージの形は保っていますが、主人公たちの超能力を使っていわゆる第3者の視点をうまく生み出してそれを利用していました。

今作でもそういう工夫は間違いなく出来たはず。素人の僕でもその方法はいくつか思いつきます。
確かに企画的に全編一人称をやりたかったというのは分かりますが、もう少し見せ方を考えて欲しかったかなぁ。

さてこの映画のもう一つの救いはシャルト・コプリー
今回の役どころはもうめちゃくちゃぶっ飛んでおり、『第9地区』ぶりにいいロールに恵まれた感じがします。この人別にかっこいいわけでもないのに、なぜかアクションがめちゃくちゃ様になるんだよなぁ笑

さて、正直いうとこれ以上にいい部分が思い当たりません。

先にも書きましたが、画面は構図なんか無くブレブレ(しかも使われているカメラはGoProオンリー…正気ですか?)ですし、キャラクターのデヴェロプメントもないに等しく、ストーリーもまぁ一応はありますがそれよりもアクションに重きを置いている感じ。
音楽の使い方も100%ゲームのそれ(アクションが始まるたびに新しい曲がかかるとか)ですし…。

さてまとめると、たしかにアイディアはすごく面白いのですが、もう3回はどうしたらもっと面白くなるかの会議をするべきでした。
やりたいこと見せたいことなどの核はしっかりしているのですが、正直それを「良く」見せる方法が欠けていました。

ま、テレビで見れば十分かなぁ。そうすれば酔わないですし…笑

トレーラー

IMDb              7.1/10
Rotten Tomatoes          54%
metcritic             51/100

日本公開:2017/04/01

追記:
2016/08/22 - 邦題、日本公開日変更しました。

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