出演：ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス
撮影：ラリー・フォン
音楽：ハンス・ジマー、ジャンキーXL
151分
全然だめ…。ゾッド将軍の手から世界の危機を救ったスーパーマンだったが、同時に街に甚大な被害をもたらした。バットマンことブルース・ウェインは彼が大切にしている街ゴッサムシティを破壊され、また彼の会社の従業員にまで被害が及び、スーパーマンに対する復讐心を燃やし始める…。そして彼ら２人が対決する時が刻一刻と近づいていた。
まず言わせてください！
トレーラーで見せすぎ！
話のビートを全部見せてます！ひどい！こんなにひどい宣伝の仕方は久しぶり！
もうこういうのやめましょう？結構本気で。
さて基本的に出来の悪い作品なんですが、とりあえずオープニングシーンだけはよく出来てました。
バットマンとなる原因ともなった幼少ブルースに起こった事件をザック・スナイダーお得意のドラマチックなカメラとスローモーでスタイリッシュに魅せてくれます。
ここはちょっとカッコ良かったですが、これ以降はしりすぼみ…。
ていうかそもそもこの企画、『マン・オブ・スティール』の続編という立ち位置だったはず。それがいつの間にかバットマンが加わり、もはやバットマンの映画にスーパーマンが絡んでいるみたいな扱い。
それで気づいたのが、この作品コンセプトをはじめとして何から何まで全部ふわふわ。
『マン・オブ・スティール』の続編にしてはスーパーマンが活躍しない（そして弱い）し。
バットマンの映画にしてはバットマン以外は『マン・オブ・スティール』のキャラしか出てこないし、世界観も『マン・オブ・スティール』からきてる。（ていうかバットマンの映画にするならベン・アフレック版のバットマンを先に作って、それから3年後ぐらいにこれをやるべきだった。ここがDCの映画化権を持ってるワーナーの詰めの甘さであり忍耐のなさ。）
そして『ジャスティス・リーグ』の序章にしては出てくるキャラの大物感が強い。むしろのちに加わるアクアマン、フラッシュ、サイボーグとか、誰？って感じ笑
んもう本当に中途半端。
ここらへん『デッドプール』を見習ってほしい！
そしてナラティブのあまりの適当さ。
話の流れが全くと言っていいほどない。なので各ドラマに感情移入しようにも出来るわけがない。
スーパーマンが世界中に責められて苦悩しているシーンがあったと思いきや、いきなりレックス・ルーサーの悪巧み話に入ったりともういちいちシーンのつながりが悪くて、感情面でこの映画に入り込むのはまず不可能。
そしてこの映画の一番の問題はアクションの動機がまったくはっきりしていないこと。
その中でも致命的なのが、なぜスーパーマンとバットマンは戦っているのか…？というこの映画のキーともなる問い。
バットマンの動機は分かりますが、スーパーマンの方は戦っている理由がまったく分かりません笑
映画中盤のカーチェイスシーンにスーパーマンが出てくるところなんて、一体全体なぜスーパーマンは悪者を追っているバットマンの邪魔をしているのか…？
ところどころ挿入される夢のシーンもそう。
今のなんだったの？って何度思ったことか…。
またアクションシーンもかなり平凡。
マーサを救いに行ったバットマンが倉庫で戦うシーンはザック・スナイダーらしい重力を感じさせるアクションで良かったんですが、カーチェイスシーンや最後の対決シーンなどは平均以下。既視感ハンパないです。
そしてそしてさらにもっと最悪なのが、『ジャスティス・リーグ』からのカメオ。
もうやめて…！
そんなことをやる前にもっと時間を割くべきものがあるでしょう？
しかもそのシーンがあるのがクライマックスにかけて盛り上がろうとしている真っ只中。
空気を読めてないとはまさにこのこと。
しかもその方法がEメールの添付ファイル！マジですか？
あとクライマックスバトルもバットマンだけ明らかに何もしてない（出来てない）のがバレバレで、ちょっと笑いそうになった笑
バットモービルで戦うとかなら分かるんですが、スーパーマンやワンダーウーマンも手こずっているドゥームズデイに生身で戦うなんて無謀としか言いようがない。
そこらへん工夫して見せるのが監督とか脚本家の腕の見せどころなんですが…。
さて終わりに…。正直言いましょう。
良いところも書こうと努力しました。でも無理でした。
まったくと言って良いほど良いところが見つけられません。
かなり暗い映画でもあるので、観てて楽しい映画でもないですし。
というわけでアメコミ好きでない限り、観なくてもいい映画だと思います。
DCユニバースはたぶんこの先もダメな気がするなぁ…。
トレーラー
IMDb 7.5/10
Rotten Tomatoes 29%
metacritic 44/100
日本公開：2016/03/25
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