監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン
撮影:エドワード・ラックマン
音楽:カーター・バーウェル
118分
もうちょっと動きがあると良かったかなぁ…。
デパートで販売員として働くテリーズはある日、不思議な魅力を持った中年女性キャロルと出会う。お互い強く惹かれ合うも、テリーズは同性へ抱いた好意に戸惑い、キャロルは離婚調停中の旦那と娘との葛藤の間で苦しんでいた…。
観る前にこの作品に深く求めていたものがあるかと聞かれると、まぁ無いという答えなんですが、やはり巷で話題になっていて今年のオスカーにも絡んでいる作品ですから何かがあると期待したんですが、イメージ通りの大人のラブストーリーだったのでちょっと拍子抜けしました。
ただいろいろなところで云われている通り、ルーニー・マーラとケイト・ブランシェットの2人が素晴らしいです。
ルーニー・マーラといえばこれまで『ドラゴン・タトゥーの女』など結構アクの強い個性派として知られていましたが、今作では抑えに抑えた平凡な女の子を熱演。あれほど"普通"とは程遠い役をこなしてきながら、今作の"普通"な役柄に説得力を与えられるなんてその引き出しの多さに驚きました。
ケイト・ブランシェットも表面上は分かりづらい、上流階級で物質的に満たされながらも夫婦生活に溝が出来始め孤独を感じている複雑な女性像を、一挙一動で表現しているのがすごい。
そんなのどうやって分かるんだ、ってことになるんですが、セリフなしで僕はそれを彼女の挙動から感じ取れましたからね、本当に。
撮影に関してもトッド・ヘインズらしいフィルムにこだわった作り。
アリフレックス416というスーパー16mmカメラ(通常の劇映画に使用される35mmよりも粒子が荒くなる)を使い、1950年代の空気感を見事に再現しています。
これと美術のおかげで、今この時代に作られたとは到底思えない、圧倒的な臨場感を作り上げることに成功しています。
この徹底した世界観の構築のおかげで、この作品の説得力がだいぶ増しているのは間違いありません。
ただ冒頭にも書きましたが、全体的にどうにも動きに乏しい…。
まぁそういうのを期待する映画じゃないのは分かっていたんですが、やはり観てる間もうちょっと何か起こればいいのになと思いました。
ちょっと僕には早すぎたかもしれませんね笑
ただ先に述べた主演女優2人とこだわり抜かれた作風のおかげで見応えはバッチリです!
観て損はありません!
トレーラー
IMDb 7.7/10
Rotten Tomatoes 94%
metacritic 95
日本公開:2016/02/11
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