監督:デイヴィッド・O・ラッセル
出演:ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ブラッドリー・クーパー
撮影:リヌス・サンドグレン
音楽:デイヴィッド・キャンベル、ウエスト・ディラン・トードソン
124分
問題は多いけど、安定のデイヴィッド・O・ラッセル作品!
中流階級で一生懸命に生きてきたジョイは、各々問題を抱えた家族の世話をしながら、自身の発明で一攫千金を狙うため日々努力していた。
ある日モップの使いづらさに気づいたジョイは斬新なモップのアイディアを思いつき、商品化に成功。しかし周りの人々は彼女の成功を邪魔するかのように、彼女の足を引っ張っていく。果たして彼女は成功をつかむことが出来るのか…?
ジェニファー・ローレンス、若いのに本当にすごい!
デイヴィッド・O・ラッセル監督とのタッグは…これで3作目?ですかね。それぞれの作品、まったく異なったキャラクターなのにそれを難なく演じ分けているのがすごい。
そして本作ではおそらくこれまでで最も特徴のない(いや、実際はすごい人物ですがね…)キャラクターを演じているわけですが、彼女のキャラクターの不屈の精神というか普通の人間なら諦めるであろうことに負けずに闘い続けるその姿を見ていて応援せざるを得なくなってしまうのは、やはりジェニファー・ローレンス、この人の演技の賜物でしょう。
そしてこの手の話を鼻につくようなサクセスストーリーではなく、素直に彼女に成功してほしい、と思えるような素敵な話に仕上げたデイヴィッド・O・ラッセルはやはり素晴らしいストーリーテラーだと思います。
ちょっとネタバレなんですが、基本的にジョイ以外のキャラクターは基本的に嫌な奴です。彼女の足を引っ張ります。引っ張りまくりです。
そんなろくでなしどもに囲まれながらも闘い続けるジョイの闘志と、たとえ嫌なやつであろうと彼らに人間味を感じさせ、決して嫌われる存在として描かなかった、これらのさじ加減が実にお見事です!
ただいろいろ問題点も多い。サブキャラが多い割に彼らのことをあまり描けていないのが一番の問題。
上に嫌なやつがただの嫌なやつとして描かれていないと書きましたが、かといってそのキャラクターが活きているかと聞かれると答えはノー。ロバート・デ・ニーロやブラッドリー・クーパー、エドガー・ラミレス、イザベラ・ロッセリーニ、ヴァージニア・マドセンなどなど…結構演技派を揃えたのに結構残念な使われ方をしています。
『アメリカン・ハッスル』のメインキャラたちや『世界にひとつのプレイブック』のデ・ニーロ、クリス・タッカーなど、これらのキャラクターはきちんと作り込まれていたので、ちょっと今回は残念でした。
そしてストーリーもなぜかジョイの祖母のモノローグが多く、彼女の視点でこの作品を見ていくのかと思いきや、このおばあちゃん自体はあまり本編に絡んできません。
これは構成上致命的な問題だと思いますが、そういうことを気にする人はあまりいないと思うので、結構どうでもいいかもしれません笑
まとめると、確かにこれまでの作品と比べるとちょっと劣ってはいるんですが、それでも十分佳作の部類だと思います。1人の監督がこれほどハズレなく作品を作り続けているのも珍しいと思います。まるで近年のイーストウッドのよう…笑
というわけで、ラッセル監督にはこれからも注目ですね!
トレーラー
IMDb 6.7/10
Rotten Tomatoes 57%
metacritic 56
日本公開:未定
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