監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:ブレイク・ライブリー、オスカー・ヘナダ、セドナ・レジ
撮影:フラビオ=マルティネス・ラビアノ
音楽:マルコ・ベルトラミ
84分
もう海には行けない…!
愛する母を亡くし傷心のナンシーは遺された母の写真を頼りにかつて母がいたビーチを見つけ出し訪れる。そこで哀しみを癒そうと試みるナンシー。しかしそんな彼女を巨大なホオジロザメが狙っていた…。
まあこんなもんですかね。
なぜだか一部の映画ファンの間で熱狂的な人気を獲得している「サメ映画」というジャンル。もはやパニック映画というカテゴリからは離れ独自のジャンルを築きましたが、正直『ジョーズ』以来ましなものは作られていません。
『シャークネイド』シリーズに始まり、
『メガ・シャークVSコロッサス』
『メガ・シャークVSメカ・シャーク』
『シャークトパスVSホエールウルフ』
などなど…。
まぁ誰一人としてサメ映画を真面目に作ろうなんていう猛者は最近ではほとんどいませんでしたね。
これまでで一番ちゃんと作ろうと努力したのは『ディープ・ブルー』でしょう。あれもなかなかお笑い要素てんこ盛りでしたが…。
そして今回、今一番熱いジャンル映画を撮る男ジャウム・コレット=セラが名乗りを上げ、ここに正統派サメ映画が誕生しました。
そしてそれがしっかりとしたシチュエーションスリラーになっていたので、個人的にはなかなか楽しめました。
ちなみに僕はサメ映画になんの思い入れもないのでサメ補正は無しの評価になります笑
まず真っ先に僕が気になったことはこの作品、ドラマがまったく描かれないので主人公のことをケアするまでにいきません。本当にただ主人公が沖の岩場に取り残され、彼女を狙うサメとの戦いだけが描かれます。
序盤になんだかんだで彼女のキャラクターのバックグラウンドをセットアップしようと試みているのは見て取れたのですが、後半にまったくそれが活かされていません。
母や遺された家族(父と妹)の関係や、一緒に来てるとかいう女友達も序盤のテキストでの会話以降は話にまったく絡まず。
そこらへんがこの映画をまさしくshallowなものにしている要因。(あんまうまくないか…)
主役のブレイク・ライブリーはなかなか頑張ってました。ただどうにも振り切れていなかった感はあります。
本来ならめちゃくちゃ追い詰められているはずなのにまだまだ余裕が垣間見えました。それがこの映画の盛り上がりを遮ったことは言うまでもありません。
おまけにこういう映画って最後に助かったらホッと一安心するものですが、終わっても「あ、終わった」ぐらいにしか思いませんでした。
『ゼロ・グラビティ』や『127時間』のときなんかは観てるこちらも終わったあとの憔悴感が半端なかったですよね。本作には正直それすらもなかったのです…。
まぁ84分とめちゃくちゃ短いのでさっと観る分にはいいと思います。
ただ、良い映画、楽しめる映画を期待していくとちょっと肩透かしを食らうかもしれません。
トレーラー
IMDb 7.5/10
Rotten Tomatoes 75%
metacritic 58/100
日本公開:2016/07/23
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