監督:デイヴィッド・イェーツ
出演:アレクサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー、クリストフ・ヴァルツ
撮影:ヘンリー・ブラハム
音楽:ルパート・グレッグソン・ウィリアムズ
109分
別に何かを期待してたわけではなかったけども…。
かつてジャングルで生まれ育ったイギリスの貴公子、ターザン。彼は故郷でもあるベルギー領コンゴで多くの現地人たちが奴隷としてさらわれていることを知り、その裏で暗躍する人物を見つけ出そうとするが…。
全体的に可もなく不可もなくって感じでした。
誰もが名前(とあの雄叫び)を知っているターザンというキャラクターを描いた映画としてはしっかり出来ていたと思います。
ただ映画的にキャラクターに感情移入できたり、ストーリーを楽しんだり、アクションに胸踊らせたり、ドラマに心揺さぶられたり、というようなことはまったくと言っていいほどありません。
その原因は間違いなく構成にあるでしょう。
特に回想が効果的でなく、むしろ話の腰を折りまくりでけっこううざったい。それなら回想なんか全部無しにして、現代パートだけで過去の因縁とか家族のこととかを描いた方が良かったんじゃないかと思う。
キャスト陣はけっこう頑張ってましたね。
アレクサンダー・スカルスガルドはあの巨体(193cm?!)と男でもホレボレするような鍛え上げられた肉体を存分に活かし、野生児ターザンのイメージにぴったりだったと思います。
ただこのキャラクターがすごく一面的で表情もかなり乏しいため、この作品でターザン好きには間違いなくならないです。
もうちょっとコミカルな面とか悲しさとか、人間的なキャラクターを見せるきっかけがあっても良かったかもしれない。
そういう意味でこの映画で一番観ていて楽しかったのはサミュエル・L・ジャクソン演じるドクター・ジョージ。この人がいわゆるコメディックロールなわけですが、決してうざったくならず、さらに見せ場もしっかり用意されているので観客としては一番親近感を湧くキャラクターだと思います。何よりサミュエル・L・ジャクソンだしね笑
マーゴット・ロビーとクリストフ・ヴァルツはまぁいつも通りだったかな笑
さて僕がこの映画で一番許せなかったことについて話しましょう。それはCGIです。あまりに酷すぎる!
とりわけ映画中盤でターザンたちがツタをグラインドして列車に飛び乗る場面があるのですが、ここのCGがもうこの規模の映画ではちょっとありえないほどのショボさ。今どきテレビでももっとうまくやっているのに、ヒドすぎて自分が観ているものを信じられませんでした。
そして木の上を渡り歩くショットもグリーンスクリーン、バレバレ。ちょっとあれはあまりにありえない。
クライマックスのシーンもひどい出来だったし。クレジットには名のある会社が多数載っていたのに…なんでしょうか、予算と時間がなかったんでしょうか。非常に残念な気持ちになるショットばかりでした。
またこのデビッド・イェーツという監督、『ハリー・ポッター』シリーズをやっていた時からそうなんですが、画面がつねに暗く(コントロールされた黒ではなく、ただ暗い)、ワンカラーの絵作りを好むので、カラーバリエーションが非常に乏しいです。
ディレクションに関してもどこを見ればいいのか分からないショットが非常に多く、またフレーミングもかなりイマイチなショットが多いため、先ほどのカラーのことと併せて、この人の作品を観るのはあまり気持ちのいいものではありません。
とりわけターザンたちが故郷に帰ったあとでとある事件が起こるんですが、その後のターザンとジョージの会話では不必要にキャラクターの周りをぐるぐる回る、いわゆるマイケル・ベイショットが使われ、は?って感じでした。全然エピックなシーンじゃないのに…!
さてまとめると、この映画全然観なくていいと思います。
ハリウッドはまた意味のないリブートをしましたね…。
トレーラー
IMDb 7.1/10
Rotten Tomatoes 34%
metacritic 43/100
日本公開:2016/07/30
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