2016/07/08

"The BFG" 『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ルビー・バーンヒル、マーク・ライランス、レベッカ・ホール
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
117分

今年イチのビジュアル世界がここに!

孤児院で育ったソフィーはある日巨人にさらわれ、巨人の国へ。
さらった本人でもある巨人BFGと友情を育んでいくが、そこには人間を食べる巨人たちも住んでいた。彼らはソフィーの気配に気づき始め、彼女を探し出そうとするが…。


CGI、めちゃくちゃすごいです...。
もう文句のつけどころがありません。
リアルなキャラクターの造形に加え、モーションキャプチャーを利用したアニメーションなど、これまでに存在していた技術を極限まで磨き上げ、とんでもない映像を産み出しました。

こんなに素晴らしい映像を作れるのってWeta Digital以外にあり得るのか?なんて思っていたら、案の定エンドロールに載っていた名前はWetaでした笑
本当にすごいわ、この人たち。

さて、では映画そのものの話を。

スピルバーグ作品にしてはまぁまぁな出来でした。 
まぁ比較するのもおかしいですが、間違いなく前作『ブリッジ・オブ・スパイ』のほうが100倍良かったです。
そもそもこの作品、『チャーリーとチョコレート工場』の作者でもあるロアルド・ダールの絵本を映画化したものなので、ストーリーなんかは正直かなり子供向けです。
というわけでこの映画もどちらかというと子供向け。

それを意識してか、巨人にさらわれた少女が人間を食べる巨人から逃げるなんていうはっきり言って僕が子供だったら怖がるだろうな、というシーンを代表にこの映画、おそらく全編意図して怖く描いていません。
そう一秒たりともシリアスにならないので、大人が楽しむには物足りないという理由のひとつがこれなんじゃないかなと思います。

ただ個人的にはこういう作品がもっとあってもいいと思います。最近の映画はちょっと暗くなりすぎて、ちょっと前に観た『ターザン:REBORN』も楽しい映画であるべきなのに終始陰鬱な雰囲気だったので、こういうカラフルでシリアスになりすぎない作品を観るとホッとするのが正直なところです。


さてスピルバーグ作品というわけで出演陣は文句なしに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。

主人公ソフィーを演じた子役のルビー・バーンヒルちゃん、めっちゃ良かったです。
すごく可愛らしいのに勇敢で、BFGとの相性もバッチリ。しかもおそらく共演者がその場にいないであろう撮影にも関わらず、しっかりとインタラクトしていてこの子、只者じゃないと感じました。将来に期待!

そしてBFGの声とモーションキャプチャーを担当したマーク・ライランスは『ブリッジ・オブ・スパイ』からの続投で、いや素晴らしいですよ、この人は本当に。
正直画面に映っているのはCGIなので演技がどうとかは言えないのですが、モーションキャプチャーの素材として演技が使われていることを考えると、しっかりキャラクターを体現していたと思います。ただのお年寄りと巨人の年寄りの物理的な身体の使い方の違いなんかもしっかり観て感じ取れましたし。


まとめると映画的にはまぁまぁです。子供は間違いなく楽しめますが、大人は少し物足りないかもしれません。ただスピルバーグが作り出した息を飲む美しい世界観とWetaDigitalが担当した圧巻のヴィジュアルは劇場で観る価値ありです!

ぜひともご覧になってください。

トレーラー

IMDb                7.7/10
Rotten Tomatoes            72%
metacritic              66/100

日本公開:2016/09/17

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