2016/07/09

"Swiss Army Man" 『スイス・アーミー・マン(原題)』

監督:ダン・クワン、ダニエル・シェイナート
出演:ポール・ダノ、ダニエル・ラドクリフ、メアリー・エリザベス・ワインステッド
撮影:ラーキン・サイプル
音楽:アンディ・ハル、ロバート・マクドウェル
97分

まぁ変な映画でした。

無人島に遭難したハンクはある日波打ち際に打ち上げられた死体のマニーと出会う。孤独だったハンクは、死体であるにも関わらず喋るマニーと打ち解け、バディと呼び合う仲に。
そして2人は協力して家に帰ろうと歩みを進めるが…。


トレーラーがあまりに奇妙だったのでどんな映画かと期待と不安でいっぱいになりながら観ましたが、まぁ変な映画でした。ただまぁある意味で予想の範囲内、というか驚きみたいなものはありませんでした。そもそも設定がぶっ飛んでますから、出落ちとまではいかないですが、万能な死体と仲良くなる以上に奇妙なことは起こりません。

そしてこの作品の一番の問題点は、全編を通してこの物語がどこに行くのか道筋が示されないこと。

たしかに大きなゴールとして「家に帰る」という目標は設定されていますが、正直主人公ハンクの成長がまったく描かれないので生還したところで…と観ている間ずっと思っていました。
そう、彼らの明るい将来がまったく予想できないので彼らが生還しようと死んでしまおうとあまり気にかけることがないんです。

そもそも死体がベストフレンドのコミュ障の男が帰ったところで…ねぇ?

そしてそれに関連してやっぱり死体と仲良くする男に感情移入はできません笑
死体のマニーもバックグラウンドがまったく説明されないので、まぁ感情移入はムリでしょう。

ただ彼ら2人のやり取りは観ていてなかなか楽しく、ポール・ダノとダニエル・ラドクリフはいいケミストリーを起こせていたと思います。
なのでむしろ彼らの友情関係に焦点を当てて、ブロマンス的な方向に持って行ったほうが良かったんじゃないかなと思います。中途半端に人生論を持ち出すよりね…。

そういえばちょっと違いますが遭難もので僕が大好きな映画を思い出しました。
『彼とわたしの漂流日記』という韓国映画です。あの映画も設定的にめちゃくちゃだったけど、しっかりとしたヒューマンドラマ+コメディになっていて観ていて非常に楽しめ感動もしたのを覚えています。
僕がこの作品に期待したものはもしかしたらこういうことだったのかなと、今になって思いますが、出来としてははるかに及んでいないですね…。
ちょっと残念です。

まとめると、観なくてもいいと思います。
正直トレーラーでこの映画の全てが見れます笑

トレーラー

IMDb           7.9/10
Rotten Tomatoes       63%
metacritic         61/100

日本公開:未定

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