2015/07/01

"Me and Earl and the Dying Girl" 『ミー・アンド・アール・アンド・ザ・ダイイング・ガール(原題)』

監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
出演:トーマス・マン、R.J.サイラー、オリヴィア・クック
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:ブライアン・イーノ、ニコ・マーリー
105分

ん〜〜〜〜〜〜〜。

将来に希望を持てないでいる高校3年生グレッグはある日母親に彼の友達であるレイチェルがガンに侵されていることを知らされる。だからなんだというグレッグだったがレイチェルとグレッグの母親が仲が良かったためレイチェルの話し相手になれと、半ば強制でレイチェルの元へと出向かされる。
始めはぎこちなかったグレッグとレイチェルの関係だったが2人は次第に打ち解けるようになり、仲を深めていく。しかし病魔は着実にレイチェルの元に忍び寄っていた…。


なんというか、いろいろ良くない。

FOXサーチライトお得意の「ダメダメな草食系男子が女の子と出会ってどうのって映画」をパロった映画(複雑!)

主人公のグレッグはひねくれ者で、物語の語り手である以上に観客の視点からもこの映画を語っているので、正直うざいです。

例を挙げると、「この手の映画」でよくある展開を画面で見せながらもモノローグで否定するなんて描写があるのですが、この「どうせこんな風になると思ってるんでしょ?なりませんよ、へへん。」な描写がすごくイラつく。

なんか全然毛色違うけど、ハネケの『ファニー・ゲーム』にもあった完全に登場人物が映画を掌握しているような描写が、自分はすごく苦手。

たしかに映画って登場人物がその作品のストーリーを進ませる要因の1つなわけだから、なしとは言わないけど、観客がどう思うかとかどう感じてるかまでに首を突っ込まれたくはない。余計なお世話である。

技術的なことをいうと、カメラがちょっと異質で始めは何だこれ?と感じた。『グランド・ブダペスト・ホテル』のような激しいパンとドリーショットの数々。まさかあのロバート・D・イェーマンか?と思ったが、エンドロールで別のDPの名前を見るも妙に納得。
 あのパク・チャヌクとともに韓国映画黄金時代を支え、名作をバンバン生み出した韓国一のカメラマン、チョン・ジョンフンがDPである。これはちょっとしたサプライズだった。

音楽は結構よく、やっぱりFOXサーチライト映画だねっという感じ。

キャストもみんな好演で、特にレイチェル役のオリビア・クックはかなり可愛い!去年は『シグナル』っていうクソ映画に出てたけどこれで挽回かな!
あと地味に良かったのが『ウォーキング・デッド』でおなじみのジョン・バーンサル。破天荒な高校教師をひょうきんに演じていて、彼の新たな一面が見れました。


さて、そろそろ締めですが、この作品ですっっっっごく気になる点が一つあります。
それはアールいるか?ってことです。
全然グレッグとアール仲良くなさそうだし、 ほとんどメインストーリーにも絡んで来ません。タイトルになっちゃうぐらいの割にキャラクターの重要性がほとんどなく、なんか他に手はなかったのかと思います。


トレーラー



IMDb      8.2/10
Rotten Tomatoes   82%


日本公開:未定


『(500)日のサマー』
これまでFoxサーチライトが手がけた恋愛映画のなかで抜群に良く出来た作品。本作にも少なからず影響があるはず。


『オールド・ボーイ』
撮影監督チョン・ジョンフンの美しいシネマトグラフィーをじっくり堪能できる韓国映画のベストオブベスト。観た後、精神消耗するので気をつけて。


『ベイツ・モーテル』
オリヴィア・クックが出ているTVドラマです。映画を紹介したいですが、イマイチいい作品に恵まれていないようで笑 トランスフォーマーに出る前のニコラ・ペルツも出てますよ。


『フューリー』
ブラピ主演のタンク映画。本作にちょっと出てるジョン・バーンサルがメイン級で出ている。


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