2015/07/26

"Ant-Man" 『アントマン』

監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド、マイケル・ダグラス、エヴァンジェリン・リリー
撮影:ラッセル・カーペンター
音楽:クリストフ・ベック
117分


安定のマーベル 印!よいです!

前科者のスコットは出所後、ひょんなことから大きさを自在に変えられる謎のスーツの持ち主、ピム博士と出会いそのスーツを着てアントマンとなることを求められるが…。



マーベルは非アベンジャーズ系作品では去年『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という超絶な大傑作を生み出しましたが、それには及ばないものの今回もかなり出来のいい作品に仕上がっています。

スーパーヒーローの誕生をしっかり丁寧に描きつつ、2つの親子の葛藤を対比させ、ユーモアを交える!
これはなかなかできることではありません。すごくバランスのとれた上手い作品です。

ただ!
ただどうしても!
どうしても言いたいことが一つだけ!


やっぱりエドガー・ライトバージョンが観たかった!!!!

脚本にエドガー・ライトと相棒ジョー・コーニッシュの名前が残っていたことと、撮影直前での降板だったこともあるので、おそらくストーリーはそんなに変えられていないと思いますが、だからこそ、このシンプルなストーリーをエドガー・ライトのスタイルで語って欲しかった、というのが本音。
いやね、ペイトン・リードが悪いというわけでは全然ないです。よく直前に任されてここまでしっかりした作品に出来たと思います。それを考えると、この人はかなり才能のある監督と言えます。

ただやっぱりね、考えちゃいますよね…。
エドガー・ライトバージョンがいかに素晴らしくなり得たかを…。


まぁそんなことをいつまでもくよくよ言っても仕方がないですし、この作品の良かったところを。
まずはキャストですね。みんなハマってます。『ピクセル』とは大違いです。

アントマンことスコットを演じたポール・ラッドはかなりハマり役だと思います。あの平凡そうな感じと、アントマンという言っちゃえば微妙な(派手な武器があるわけでも、世界を股にかけるヒーローというわけでもない)立ち位置にしっかりハマっていました。子煩悩な感じもぴったりです笑

あとマイケル・ダグラスは画面に映るだけで作品全体が引き締まります。あの声もしびれます。基本的に軽いノリなこの作品のドラマ面を支える大黒柱となるキャラを貫禄たっぷりに演じていて、さすがと言ったところです。

そして意外と良かったのがマイケル・ペーニャ。すごくいいキャラです。こういうメキシカンいます笑
バックグラウンドの説明があるわけでもないのに、あのキャラの生き様というか人柄が分かります。この人、こんなに細かい芸が出来る役者だったなんて、知らなかった。

キャストで残念だったのが、悪役のコリー・ストールですかね。この人、『ハウス・オブ・カード』ではすっっっっごい人間臭い役を演じていて、表現力のある俳優なのは間違いないんですが、今回はちょっとキャラクターが単純すぎたと言いますか、いまいち魅力がないです。ただこれはこの人のせいではなく、単純に脚本のせい。微妙にマイケル・ダグラスとの師弟関係を臭わせながらも深く突っ込むことがありません。なら徹頭徹尾、悪者で良かったんじゃないかと。


さてビジュアルに関してですが、これも非常によく出来てます。
普段見慣れてる世界を1.5cmの人間の視点から描いているわけですが、その奥行きの深さもあって3Dの効果を存分に楽しめます。

そして最後のバトルもよく振り付けられ、見応え十分。それでいてかなり笑わせてくれます。この手の映画には、これが大事!!よく分かってる。


よくできたCGと単純明解なストーリー、そしてユーモア。はっきり言ってこれを観ない理由が考えつきません。非常によく出来た映画です。誰にでもおすすめ!



トレーラー

IMDb         7.9/10
Rotten Tomatoes     77%

日本公開:2015/09/19

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