2015/06/14

"Jurassic World" 『ジュラシック・ワールド』

監督:コリン・トレボロウ
出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ヴィンセント・ドノフリオ
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:マイケル・ジアッキーノ
124分

まぁ、こんなもんだよねぇ。

ジュラシック・ワールドは生きた恐竜と触れ合えるテーマパーク。しかしかつての人気は衰え、客足は年々遠のいてきている。そこでパーク側は新アトラクションとして遺伝子組み替え型の新型恐竜インドミナスレックス(通称:I-REX)の準備を進めるが…。


ーー以下(ちょっと)ネタバレありーー



期待を上回るでも下回るでもなく堅い作りだった。


案の定インドミナスレックスは脱走し、パークは非常事態宣言へ。そこからはネイビー出身のレンジャー、オーウェンとパークの運営者クレアが彼女の親戚の子供たちを探す様が描かれるのだが、正直この話だけをメインにすればよかったのに。
それに関連して、パークのスポンサーのインド人とかオーウェンの雇い主(なのか?)の軍事関係者、そしてその子供たちの様子まで描かれてるためもうひっちゃかめっちゃか。

話の的が絞れてない分、人間どものつまらない会話に尺が持って行かれ、観客が期待する恐竜とのハラハラドキドキ対峙シーンが大幅に減らされているのが分かる。



このコリン・トレボロウっていう監督。前作の"Safety Not Guaranteed"(邦題:『彼女はパート・タイム・トラベラー』)もこの予習として観たけど、作品の雰囲気というかトーンを作るのがあまり得意じゃないように思える。

今回も作品全体に一定のトーンがないからいまいち入り込めない。
一番ダメだと思った点が空気をまるで読めてないコミカル要素。ああいう描写はすさまじい緊張感の合間にさくっと入れられるからこそ効くのである。

あとキャラクターも何を考えてるのか分かりづらいし、全然活きてない。

主人公オーウェンを演じたクリス・プラットはいつもの軽いノリでジョークを飛ばし、やる時はやるかっこいいヒーローをいつも通りに演じている。(新しいインディ・ジョーンズの候補らしいですが結構いいんじゃないかと個人的には思っている。)
彼は良い。もう少し専門家らしい(1作目のグラント博士のような)行動を取れればパーフェクトだったが・・・。

ブライス・ダラス・ハワードもいまいち悪人になりきれてない。というか書いてて気づきましたが、そもそも悪人キャラじゃないんでしょう。それならわざわざこのキャラをパークの運営側なんていう1作目から続く明らかな悪役サイドに置く必要はなかったんじゃないだろうか・・・。

あとメインキャラクターとしてクレアの甥の兄弟が出てくるんですが、兄貴が女たらしで弟は数学的な思考をしてるオタク的キャラ。で、なんで、そういう設定なの??
オープニングで兄貴が彼女とイチャつく場面があるのですが、これがまた全然必要ない。
弟のオタク的知恵も何かの役に立ったかと言われれば・・・?

そしてブライス・ダラス・ハワードの部下でお調子者のロウリーを演じてたジェイク・ジョンソン。"Safety Not Guaranteed"のジェフそのまんまやん。そしてこのキャラも必要ない。






やっぱりスピルバーグ大先生が作った1作目は伝説。
CGの技術なんかこの映画からしたら本当にしょぼいけど、 その分演出がしっかり作品を引っ張っていってるのがよく分かる。あの厨房でラプトルから逃げるシーンなんかは今観ても手に汗握るし、あそこだけでこの『ジュラシック・ワールド』の全編を凝縮した以上の緊張感が味わえる。


とまぁだいぶ厳しく書いてますが、全然駄作ではありません。
インドミナスレックスと人間の駆け引きをもっと観たかったという惜しい点があるので、こういう書き方になりました。
だって恐竜の出てくる場面はすごく良く出来てるんですもの。



IMDb           7.7/10
Rotten Tomatoes        69%




日本公開:2015/08/07


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