2015/05/05

"Ex Machina"  『エクス・マキナ』

監督:アレックス・ガーランド
出演:ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザック、アリシア・ヴィカンダー
撮影:ロブ・ハーディー
音楽:ジェフ・バーロウ、ベン・サリスブリー
108分

良いです!!

大手ポータルサイトのいちコーダーであるケイレヴはある日、社内コンペの報酬として社長ネイサンの別荘で1週間過ごす機会を与えられる。そこは移動手段がヘリのみという僻地。そこでケイレヴが目にしたのはネイサンが生み出したAIを搭載した美しい女性型ロボット、エイヴァだった…。


近年まれに見る極上のサイファイスリラー。かつ非常に良く練られたシチュエーションスリラー。

映画の舞台はオープニングとエンディングの数ショット以外はすべて社長の別荘で展開されます。この別荘のデザインがすごく良い。かなり日本的なデザインというか、シンプルかつバランスのとれたデザインを採用していてカメラ映えがすごいです。実は映画のメインキャラの1人として日本人女性が出てくるんですが、この映画もしかしたら日本の影響も少し受けているかもしれませんね。

ちなみにこの日本人キョウコを演じたソノヤ・ミズノさん(Sonoya Mizuno)、すごい美人。顔はもちろんなんですが、それよりも佇まいが凛としていて素晴らしい
気になって調べてみるとどうやらロイヤル・バレエ・スクール出のバリバリのバレリーナだった方のようで、妙に納得…。

えぇと話を戻すと…ロケーションも素晴らしいです。
どうやらメインのロケ地はノルウェーらしいのですが、すごく効果的です。
要所要所で挿入される広大な自然のショットが物語に(良い意味で)区切りを与えながら、緊張感を増していくケイレヴ、ネイサン、エイヴァの関係を浮き彫りにしていきます。

ただ欠点がない訳ではない。ちょっと展開がご都合主義なところがあって、どうにも乗りきれなかったのは事実。どんでん返しものによくあるミスなんですが、途中途中で作者の意図が見える瞬間があって、そういうところでどうしても興ざめしちゃうんですよねぇ。

あといまいちキャラクターを描ききれてないというか、エイヴァはもっと魅力的にするべきだし(確かにその試みは見えるけど観客がエイヴァに惚れるかというと、そこまでは絶対に行かない…)、ケイレヴはもうちょっとバックグラウンドをしっかり構築させないとラストの衝撃が効いてこない。
それからネイサンを演じたオスカー・アイザック、上手すぎです。ドーナル・グリーソンも良い俳優だけどオスカー・アイザックに完璧に持ってかれてます。そもそも容姿からすでにおかしいです。せめて見た目は普通の人に見せるべき。この人(このキャラクター?)はあらゆる面で強い個性を持ちすぎて他とのバランスが悪いです。笑

あと映画全体の流れから言うと、物語の進行をケイレヴ1人にフォーカスするべきだったし、ケイレヴとネイサンの関係を描く描写はかなり多いんですが、ケイレヴとエイヴァの関係はどう考えても描写不足。もっとそこにフォーカスするべきでしたね。


とまぁ悪いところばかり書いてるようですが、全然悪い映画ではありません。
むしろ傑作に近い映画だからこそ、どうしても粗が惜しまれます

久しぶりに映画の尺全てを集中して観れた映画でもありました。
お金払って映画館で観る価値のある映画です。美しい撮影にも注目!

P.S.
ちなみにこの映画を観る前に『イミテーション・ゲーム』でお馴染みアラン・チューリングが考案したチューリングテストについて知っておくことを強くオススメします!

Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/チューリング・テスト

トレーラー

IMDb          8.1/10
Rotten Tomatoes      91%

日本公開:2016/06/11

追記:
2016/03/24 - 邦題、日本公開日変更しました。(日本公開、遅すぎ!)


『28日後』
本作の監督アレックス・ガーランドが脚本を手がけた映画。結構秀逸なゾンビアポカリプス映画。

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』
ドーナル・グリーソン主演。これは一家に一枚置いておきたい作品。何度観てもいいです。

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
オスカー・アイザックといえば、現時点ではやっぱりこれになる…。


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