監督: ピエール・モレル
キャスト:ショーン・ペン、ジャスミン・トリンカ、ハビエル・バルデム、イドリス・エルバ
撮影:フラヴィオ・ラビアノ
音楽:マルコ・ベルトラミ
115分
アクション好きじゃないとキツいかも…。
大きなヤマを終えた後、身を潜めて暮らしていた元傭兵(なのかな?)が何物かに命を狙われたのをきっかけに、その黒幕を見つけ出そうと孤軍奮闘するお話。
お話的にはすごく面白くなりそうなにおいはぷんぷんしますが、全くと言っていいほど面白い方向に話は進みません。
まずハビエル・バルデムとショーン・ペンのヒロインをめぐる謎の韓流ドラマ展開…。
ちょっと見てて恥ずかしくなるぐらいベタベタな演出が続きます。序盤のハビエルのいやらしい視線から、ショーン・ペンがヒロインに再会した時のハビエルのいじわるなど。まぁ究極言うとハビエルのキャラが完璧にこの映画の雰囲気にマッチしてないのが問題。ただショーン・ペンのことをジェラってるだけ、という…。
さらに悪いのがショーン・ペン。寒すぎ!!ってぐらい常にクール。もっと言うとショーン・ペンもショーン・ペンであまりにセルフプロデュースしてる感じが出すぎて、観てるこちらは興ざめ…。だって脚本も書いて、製作にも名を連ねてるんですよ?
正直これが王子様に守られたい願望の女子向け映画なら分かるが、客層はどう考えてもアクション映画好きのむさい野郎どもだろう。
明らかにショーン・ペンの独りよがりがこの映画を台無しにしてしまっている。
ただ褒められる点も多々ある。
まずはアクション。やっぱり監督がピエール・モレルだけあって、組み立て方が丁寧。ハビエルの別荘で襲われるところなんかはそれまでウトウトしちゃうような眠たいシーンが続いていたのに、一気に緊張感あるシーンへと早変わり。おかげでお目目もぱっちり。
あとはショーン・ペンがスペインの自宅に戻って罠が設置されているのに気づくくだり。
やっぱりこういう「目には目を」的な描写はなぜだかアクション心をくすぐって、すごく爽快な気分になりますね。
あとはキャスト。これは本当に素晴らしい。今のところショーン・ペンのこと悪く書いてますが、実は僕はこの人のこと嫌いじゃないです。なんたってフィンチャーの『ゲーム』に出てますし。
そして今回、彼のことで褒められるのがすさまじいまでの肉体改造をしていること。あの肉体はまさしくアクションスターのそれです。
そしてハビエル・バルデムも良い感じに悪役を全うしてます。まぁこのキャラが映画に全く合っていないのが大きな問題なだけ。
あとはイドリス・エルバ。でも出番超少ない。マジで。なんでポスターに名前載ってんの?って感じです。
この映画、トーンはすごく僕の好みなので嫌いにはなれないのですが、やっぱりところどころ緊張感に欠けるし、エモーショナルな面でも脈絡がなさ過ぎるので、まぁ暇な時に観ればいいかなって感じです。
トレーラー
IMDb 5.6/10
Rotten Tomatoes 13%
日本公開:2016/02/06
追記:
2015/11/10 邦題・日本公開日、変更しました。
『96時間』
ピエール・モレルの傑作アクション映画。想定外の面白さに驚いたアクション映画好きは僕だけではないはず。2と3は観なくてよい。
『LIFE!/ライフ』
ショーン・ペンの出る映画ってあんま好きじゃないんだけど、この作品のショーン・ペンは激シブでかっこよかった。ちょい役だけどね。
『TAXi』
リュック・ベッソンプロデュースで面白かった作品は他にこれぐらいかもしれない。若かりし頃のマリオン・コティヤールも出てます。
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