監督:ニキ・カーロ
出演:ケビン・コスナー、マリア・ベロ、カルロス・プラッツ
撮影:テリー・ステイシー、アダム・アーカポウ
音楽:アントニオ・ピント
128分
すーーーごい良い映画だった!
爽やかかつ胸アツな絶妙にバランスのとれた映画!
主人公のジムはフットボールのコーチであったが、選手にけがを負わせたことが原因でクビになり、田舎町マクファーランドの高校で体育教師として働くことになるのだが…という映画。
もっとスポーツ推しかと思ってたんですが、想像以上に異文化交流映画でびっくりした!そっちの方が自分はむしろ好きなので、良かったんですが!
ちなみにタイトルにもなっているマクファーランド。位置的には...カリフォルニアの中部、サンホゼとロサンゼルスの中間あたりにあるちいーーーさな町。Google Mapで観てみたけど、本当に何もない笑
映画的にもすごく繊細な演出が多くて、感情移入しやすかった。
例えば、ジム一家が引っ越してきてご飯を食べに行くシーン。
自分も渡米してすぐの頃に経験したのですが、メキシコ料理は肉や豆の種類がすごく豊富で、かつ客が選べる仕組みになっているので、店員はどの豆がいいかとかどの肉がいいかとか、めちゃくちゃ聞いてくる訳だが、知らない身からしたら何が何だか…!
おまけにジムはハンバーガーはないのかなんて素っ頓狂なことを店員に尋ねている。
たったの1シーンだけど、主人公一家の境遇と南米系移民のコミュニティとのギャップが非常に上手く、かつコミカルに描かれている。
またジムがベイカーズフィールドに住んでいるのか、と聞かれるシーンがあるがこれも上手い。つまりはマクファーランドには主にメキシコ系の移民が住んでいて、白人たちのコミュニティは99号線を少し下った大きな街ベイカーズフィールドに出来ているというのがたった1ラインで理解出来る。
そんな中で、主人公のジムはマクファーランドに家を買い、そこで暮らしている。
まさしく地域密着な暮らしをしているのだ!完璧なるつまはじきもの!白人のくせに白人コミュニティに属さず、さらにはメキシカンコミュニティにいるけれどもそのコミュニティにはおそらく今までまったく関係したことがない。両方から見て異質な存在なジムが、次第に自らのポジションを両方のコミュニティで築いていく姿はすごくドラマチックだった!
そしてそれはジムのアンダードッグな要素をうまく強調していて、それが本筋であるレースの場面でじわじわ効いてくる。
まわりはいわゆる私立のおぼっちゃま高校ばかり。そんな中で奮闘するジムとマクファーランド高校の生徒の姿に胸をアツくせざるをえない。
繰り返しになりますが、すーごくよく考えて作られたすーごく良い映画。
メガホンを取ったのはニュージーランド出身の女流監督ニキ・カーロ。
スポ魂ものの割に汗臭くないなぁと思ってたけど、監督が女性だったからかと妙になっとく。実はこの監督の映画は始めて観た(『クジラの島の少女』も観ていない…。)のだが、ドラマの面でもエモーショナルな面でもすごく丁寧に作られていて、かなり好き。
歴代スポーツ映画の中でもベスト3に入るほど良く出来た映画。必見です。
それにしても本当に良い映画なのに、このポスターのダサさは何とかならなかったのかね笑
トレーラー
IMDb 7.2/10
Rotten Tomatoes 77%
日本公開:未定
『クジラの島の少女』
ニキ・カーロの出世作。実は僕も未見です。そろそろ観ようっと。
『アンタッチャブル』
ケビン・コスナーといえばこの作品のエリオット・ネスなんだよなあ。全然本作と関係ないけど笑
『リプレイスメント』
スポ根映画といえば個人的にこれがイチオシ。
0 件のコメント:
コメントを投稿