2015/01/19

"American Sniper" 『アメリカン・スナイパー』

監督:クリント・イーストウッド
キャスト:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー
撮影:トム・スターン
132分


やっぱイーストウッドはすごい!


『ミスティック・リバー』とかオスカーに絡み始めたころは大嫌いだったけど、最近は素晴らしい映画ばかり作っている。いやむしろ素晴らしい映画しか作ってない。

イラク戦争時に4回もイラクへ行き、(公式記録で)160人以上を殺害したという伝説の兵士クリス・カイルの自伝を基に製作されたこの映画。







いつも通り乾いた色合いのイーストウッドカラーは健在だが、今回は作品にばっちりハマっているので、テクニカルな部分は映画が始まってすぐにパス!
(正直イーストウッドは何でもかんでもこの彩度を使いたがるが、それはどうかと思う…。)


というわけで物語にしゃきっと集中出来たわけですが、んもうね、戦場の緊迫感には下っ腹きりきりしちゃいましたし、カイルが変貌していくさまには知らず知らずのうちに握りこぶしを作り自分のことのように心の中で葛藤が巻き起こったりして、すさまじく良く出来てました!!

戦争映画には名作いっぱいありますし、いわゆる魅せ方でいったらそれらに今一歩及んでないところもありますが、何といってもブラッドリー・クーパーね。凄すぎる。

映画の前半と後半でまったく別人。



カイルは前半では夢がカウボーイで女たらしな結構粗野なアメリカン人。偏見なのは分かってるが、自分のイメージでは典型的なテキサスの男って感じ。

ある日を境に愛国心に目覚め、海軍に入隊。


後半からはもうすごい。
愛国心の塊で、仲間を出来るだけたくさん救うには敵を出来るだけたくさん殺せばいいと自らの技術と身体能力を鍛え上げる。


この時のカイルもといブラッドリー・クーパーはもう見る影もないくらい筋肉のかたまりになっている。歩く兵器という言葉がしっくり来るぐらい屈強な身体だ。

ただそういったカイルの思いとは裏腹に戦争の雲行きは怪しくなっていく…。
なぜなら国民がこの戦争の続行を望まなくなっているうえ、兵士たちの士気もどんどんと下がっていく。だってイラクに大量破壊兵器なんてなかったんだもの。

それでも国のため、自らを犠牲にしていくカイル。


最後に待ち受けるカイルの運命は凄く皮肉だ。
カイルが生き甲斐を見出した道を作ったのはアメリカだが、それを壊したのも彼ら自身なのだから。



トレーラー




IMDb      7.6/10
Rotten Tomatoes  73%


日本公開:2015/02/21
http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/



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