監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
音楽:ヨハン・ヨハンセン
116分
大傑作SFドラマ!
ある日地球の各地に謎の物体が飛来。言語学者であるルイーズは政府の要請により、彼らとコミュニケーションを図る手助けをすることになるのだが…。
めちゃくちゃ良いです、この映画!
正直に言いましょう。観る前はそれほど期待してませんでした。
いやもちろんドゥニ・ヴィルヌーヴの作品はこれまで素晴らしいものばかりだったので、ある程度の期待はありましたけど、まぁそんなに得られるものはなく終わるかなと。
というのも前作『ボーダーライン』はもちろん素晴らしかったですが、それも基本的には美しいシネマトグラフィーと個性的な俳優陣が良かっただけで、正直映画的な興奮はあまりなかったですし、『プリズナーズ』もほぼ同じことが言えます。
『灼熱の魂』でこの監督に一目惚れした僕的にはあれぐらいパンチの効いた作品をそろそろこの監督から観たいなと思ってたんですが、ついにやってくれました。
というわけで第3幕で起こる急展開にはやられました。久々にストーリーの妙技を味わったといいますか、映画を観ていて「あぁ〜〜なるほど!」となったのは『つぐない』以来。
そして迎えるラストの刹那にはもうたまらんって感じです。
またエイミー・アダムスは個人的にオスカー取ってもいいぐらいの名演。彼女のキャリアでもベストの演技です。
というのもこの人の演技がちょっとでも違ったら3幕の印象はまったく違ったものになっていたでしょう。 もちろん悪い意味で。
それぐらい微妙なニュアンスをしっかり体現していたことに気づいた時はもう開いた口が塞がりませんでした。
そしてドゥニ・ヴィルヌーヴ作品に共通して言えるのが美しいシネマトグラフィー。本作は『ボーダーライン』を手がけたDP界のキング、ロジャー・ディーキンスから『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』などを手がけたブラッドフォード・ヤングにバトンタッチ。それでもやはり圧巻の映像美でしっかりと目を喜ばせてくれます。
そしてアンビエントとクラシックを見事に融合させたヨハン・ヨハンソンのスコアもお見事で、耳でも充実。
この人のことを初めて知ったのは『博士と彼女のセオリー』なのですが、それ以来お気に入りのコンポーザーの一人。この人が音楽を手がけた作品はなぜか好きになるなぁ…。
まとめると、とにかく必見です!
良いストーリーに美しいシネマトグラフィーと音楽、そしてエイミー・アダムスの圧巻の演技。映画好きならこれだけ揃っていて観に行かないなんて選択肢はありえません。
なるべく前情報は入れずに観に行ってください。
トレーラー
IMDb 8.4/10
Rotten Tomatoes 93%
metacritic 81/100
CinemaScore B
日本公開:2017/05
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