監督:メル・ギブソン
出演:アンドリュー・ガーフィールド、テレサ・パーマー、ルーク・ブレイシー
撮影:サイモン・デュガン
音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ
139分
正統派戦争映画の新たな傑作!
第2次世界大戦最中、国を愛するがため軍隊へと志願したデズモンド・ドース。彼は戦闘によって人命を奪うことを拒否し、衛生兵として人命を救うため前線に向かうことを望む。しかしそんな扱いづらいデズモンドのことを軍隊が歓迎するはずもなく、戦争に行く前からひどい仕打ちに遭うが…。
非常によくできた作品です。
これこそが本物のアメリカンヒーロー映画。
そしてこんなにも力強い映画を観たのはひさしぶり。
人命を奪うことはいとも簡単なのに救うことはなぜこんなにも難しいのか、この作品はそんな単純とも複雑とも取れる命題に直球で臨んでいます。
その姿勢がとても好印象。
そしてそれをまるで容赦ない即物的な戦闘描写でいとも簡単に何百人もの兵士たちが死んでいく場面を見せながら、一人を救うために泥まみれになり血を流しそして自分の命さえどうなるかも分からないような状況に置く主人公の姿を見て誰が心揺さぶられずにいられるでしょうか?
そんなもはや現実離れしてるともいえる主人公を見事に演じたのがアンドリュー・ガーフィールド。彼のキャリアの中でも1、2位を争う名演でした。
デズモンド・ドースという、見た目はひょろっちいけど屈強な魂を内に秘めた唯一無二のキャラクターをしっかりと体現し、この人のおかげでこの映画の説得力は何倍にも増したことは間違いありません。
またヒロインのテレサ・パーマーとのケミストリーもバッチリで、まぁなんとも愛くるしいカップルだったこと。
そしてこのことも関係して、この映画でもっとも惹かれた要素がそのクラシック感。
往年のフィルムメイキングを彷彿とさせる、しっかりと手間暇かけたセットアップやキャラクターデヴェロプメント、そしてVFXに頼らず特殊メイクやSFXを多用した大迫力の戦闘シーンなど、まるで往年のハリウッド映画を観ているよう!
近年の映画ではあまり味わえない独特の映画体験でした。
まとめると、この映画全てがしっかりしていました。戦争映画好きの方は間違いなく気に入りますが、その一方で一般の映画ファンにはこの作品の持つ力強いドラマとメッセージ性が心に響くはず。お見事です。
トレーラー
IMDb 8.7/10
Rotten Tomatoes 85%
metacritic 71/100
CinemaScore A
日本公開:未定
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