監督:キム・ジウン
出演:ソン・ガンホ、コン・ユ、ハン・ジミン
撮影:キム・ジヨン、キム・ジェホン
音楽:モウグ
140分
まぁまぁだったかな。
日本統治下の韓国。
日本政府のもとで働くイ・ジョンチョルはある日、朝鮮の解放を企むレジスタンスのリーダー格の一人であるキム・ウジンと接触。そしてジョンチョルはその日を境に自らの立場に疑問を抱き始め、次第に彼らに手を貸すようになっていくが…。
まぁ悪くはないです。
僕はもともとキム・ジウン監督のファンで期待値高めで行ってしまったのでちょっと物足りなかったですが…。
これは自分の落ち度なんですが、トレーラーも観ずにソン・ガンホとキム・ジウンのタッグと聞いて勝手にアクション満載の活劇を期待して劇場に駆けつけたのがちょっと失敗かな。
というわけで蓋を開けてみると『グッド・バッド・ウィアード』や『ラスト・スタンド』のようなアクションを期待していくと肩透かしを食らうほどの大人の諜報サスペンスでした。ただ、映画的にはとても良くできています。
この映画の見どころはズバリ画面作りの豪華さでしょう。
韓国人っていわゆる我々日本人と同じアジア顔なのに、日本映画に出る日本人と比べて画面映えが半端じゃなく良い。でもこれって撮影の技術のおかげだと思います。
照明の使い方や肌色を綺麗に見せる配色にまでしっかり手が行き届いている画作りに、毎度驚かされます。
また極力CGを抑えた作りで、嘘っぽいCGのバックグラウンドなどはほぼ皆無。しっかりと実際に建てられたゴージャスなセットが全編にわたって使用され、2016年に作られたとは思えないほど、美術の豪華さを堪能できます。やっぱり実物の迫力は違うな〜。
そして俳優陣、うまいです。
ソン・ガンホは僕的には韓国のトム・ハンクス。どんな役をやってもこの人の手にかかれば、素晴らしくなってしまう。本作では大日本帝國警察の革のジャケットをバシッと着こなし、それだけでもめちゃカッコ良かったんですが、さらに愛国心と目をかけてくれている日本政府との間で揺れる葛藤をしっかりと表現。相変わらず引き込まれます、この人の演技。
それにしてもソン・ガンホって全然歳取ってる感じがしないんだが、いくつなんでしょう…?笑
そんな韓国映画界の至宝ソン・ガンホに対抗するのが最近売れっ子のコン・ユ。正直ソン・ガンホと同じ格で演じられてたかと聞かれると、まぁ無理だったんですが、レジスタンスを指揮する青年革命家の役を落ち着いた雰囲気で演じていて、新たな一面を見られました。
この作品の問題点としてはそのペースですかね。140分もあるのでちと長いです。
本筋が始まるまでも長く、途中中だるみもします。また途中で何が目的なのかよく分からないシーンもちょくちょく挟まれます。これらに耐えられそうであればきっと気にいるでしょう。
個人的には雰囲気のビルドアップがしっかりできていたので、見てる間はそれほど気になりませんでした。振り返ってみて初めて気づいた感じです。
まとめると、韓国映画好きなら間違いなく観て損はないでしょう。
芸達者な俳優陣にゴージャスなシネマトグラフィーとプロダクションデザイン、お金を払ってみる価値大です。
トレーラー
IMDb 7.5/10
Rotten Tomatoes 92%
metacritic 79/100
日本公開:未定
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