監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:トム・ハーディ、エミリー・ブラウニング、ターロン・エガートン
撮影:ディック・ポープ
音楽:カーター・バーウェル
131分
ダメだった…。
1960年代、ロンドンを牛耳ていった双子のギャング、クレイ兄弟の壮絶な生き様を描く…。
あらすじ、盛りました笑
はっきり言ってこの作品には何の葛藤も苦悩も描かれていません。
映画が始まった時点でクレイ兄弟はすでに街のボスですし、いわゆる縄張り争い的な抗争があるわけでもありません。
そう、そうなんです、この映画、メインストーリーがなんなのかがさっぱり分からないんです。
兄弟の絆の話、恋人とのラブストーリー、サクセスストーリー、ライバル組織との抗争、成功者の悲しい末路…。このどれにも当てはまるようで結局すべてにかすっているだけ。
いや〜、脚本下手くそやな〜、なんて思ってたら監督・脚本がブライアン・ヘルゲランドと知ってちょっと納得。
ちなみにいうと、僕はブライアン・ヘルゲランドは脚本家として才能のある人だと思いますが、作風的にはまったくハマったことがありません。
傑作と評されている『L.A.コンフィデンシャル』も僕にはピンと来ませんでしたし、もう一つの代表作といわれている『ミスティック・リバー』に関しては、これまで観てきた映画のなかで最も嫌いな映画トップ10に入るほど、退屈で死にそうになりました。
そしてまぁ今回は監督もやっているわけですが、僕はこの人の監督としての才能はまったく認めません。なぜ映画を撮り続けていられるのか、理解に苦しみます。
というわけでまたもやヘルゲランド節にやられました。
この人の監督した作品はいつも途中で飽きてしまう。途中で必ずいつ終わるのか気になりだす。
登場人物に一貫性がないから彼らに対する関心を失う。
今作に関してもなぜそうなった?という描写のオンパレード。
なぜレジーは突然凶暴になったのか?
そしてなぜフランシスはレジーへの興味を失ったのか、そしてその逆も謎。
そして最後の展開に関しても…?
この人の描く物語は人物描写がとてつもなく浅く「起・承・転・結」のうち「起・・・結」しか持ち合わせてないことが多い。
起から結へと一気に飛んだ瞬間に観客は(少なくとも僕は)興味を失うことが多いように思う。だってその2つをつなぐものが何もないんだもん。
んで、そんな構成で2時間以上も何を描いていたかというと、単純にこの双子がいかに助け合って生きてきたか、ですかね。
なにか一つで良いからパンチのある展開が欲しかった。
とまぁボロクソに言ってますが、いいところも。
それがまぁもちろんトム・ハーディーですよね。
この人、本当に素晴らしい俳優です。
今作のロニーのキャラは彼が一番ぶっ飛んでいた『ブロンソン』でのタイトルロールに匹敵するキレ具合です。
何をしでかすかまったく読めず、絶対に近寄りたくない感じ笑
見所もWトム・ハーディーが喧嘩するところと同じく二人が敵のアジトで暴れるところぐらいでしょうか?
ていうかいいところと言ったら本当にトム・ハーディーのことしか書けない笑
それぐらい抜群の存在感です。
まぁまとめると、僕にはやっぱりハマりませんでした。何度も言いますが、トム・ハーディーが素晴らしかったからなんとか最後まで観れた感じです。
それにしてもコックニーは聞き取りづらいなぁ…笑
トレーラー
IMDb 7.4/10
Rotten Tomatoes 60%
日本公開:2016/06/18
追記:2016/01/28 - 邦題、日本公開日変更しました。
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