監督:アンジェリーナ・ジョリー
キャスト:ジャック・オコンネル、MIYAVI、ギャレット・ヘドランド
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
137分
137分
一部の人々から批判殺到中のアンジェリーナ・ジョリーの監督2作目『アンブロークン(原題)』観てきました。
まず初めに…。
自分は頭が悪く社会的意識に乏しいので、 この物語の事実関係がどうのとか、プロパガンダ的なものについて書くつもりは毛頭ありませんので悪しからず。
ここでは映画としてどうかだけ書きます 。
正直言ってかなり惜しい。
やっぱりというか…本業じゃない監督業に挑戦したアンジェリーナ・ジョリー…かなり構成が固い。そもそも脚本が書けないのだから監督に向くはずが無い。
お話は第2次大戦中から始まり、主人公ルイス・ザンペリーニがいかにオリンピックアスリートへとなり得たかという回想がところどころ入れられるのですが、この構成がまるで効果的でない。
この回想時代(主人公の少年〜青年時代)に培った不屈の精神が彼に生きる気力をもたらしたみたいな触れ込みですが、うーーーーん。まるで説得力がない。
例えば、兄貴からのセリフ「If you can take it, you can make it.」が主人公に上記の屈強な精神力を授ける、という描写があるわけですが、この時点でこのセリフがいかに大事なのかを観客に伝え損ねている。だから後々でこのセリフが出てきても、いまいちノれない。
そしてストーリーもいまいち主人公の行動にスポットが当てられず、むしろ主人公がどういう目に遭いどう耐えたかしか描かれないのでだんだんともどかしくなる。
原作本は未読ですが、とあるポッドキャストのホストは原作と映画の大きな違いにについて言及していて、なるほどと思いました。
それがもっとも重要なパートである、ザンペリーニが帰国したあとPTSDやアル中になって、その葛藤の末にキリスト教と出会い「赦す」ことを知るといういわばエピローグなパートです。映画本編では字幕で数分間の説明があっただけ。
え?このパートが原作で一番描きたかったことじゃない??この作品って?
映画では最後の最後で字幕で説明されてたけど…いやいや、その暗闇から這い上がる姿が観たいんだよ、観客は!
そうでなきゃ映画序盤に入れられた教会の回想はまるで必要がない。
脚本家を4人も使って(うち2人はあのコーエン兄弟!!)出来た作品なのに、いまいちリサーチが徹底されてないし、構成がしょぼかったのはいただけなかったな。
もっと胸熱なヒューマンドラマを期待したのに、結局は洋上で遭難して死にそうになって、その後に日本軍に捕まってひたすらぶん殴られ、いじめられるだけの映画だった。
あ、でもやっぱりロジャー・ディーキンスのカメラはいつも通り素晴らしかったですよ。
特に前半の長距離走のくだりと、全編にわたる望遠と広角のキレのあるアングル回しは、それだけでこの作品を観る理由になる…かと!
トレーラー
IMDb 7.2/10
Rotten Tomatoes 49%
日本公開:2016/02/06
追記:
2016/01/28 -邦題、日本公開日変更しました。
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