2016/11/05

"Magnificent Seven" 『マグニフィセント・セブン』

監督:アントワン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク
撮影:マウロ・フィオーレ
音楽:サイモン・フラングレン、ジェームズ・ホーナー
132分

ザ・エンターテインメント西部劇が復活!

極悪地主バーソロミュー・ボーグの圧政にさらされている西部の田舎町。とある事件をきっかけに町民たちは自らの生活を守るため、用心棒を雇いバーソロミューたちと闘うことを決意。それに手を貸すことになった寄せ集めのアウトロー集団7人。果たして彼らはこの町の平和を取り戻せるのか…?


『七人の侍』も『荒野の七人』も観た自分としては正直ストーリーにどうこう言うつもりはありません。まったくあれらと一緒です。

大きな違いといえば、やはりキャラクターの描き方とアクションのダイナミックさに限ります。

アクションシークエンスはさすがアントワン・フークア監督、非常によく出来ています。
ド派手な銃撃戦でしっかり魅せつつ、人数の多いメインキャラクターたちに律儀に個性と見せ場を与えていて、非常に賢い作りの映画になっていました。

まぁただ七人もいるとやはり一人ずつのキャラクターへの愛着は薄いかな。
例えば最後の最後でメインキャラクターのうちの一人の過去の秘密が明らかになるんですが、正直あれはあってもなくてもどちらでもよかった。まぁ確かに深みは加わるけど、もうちょっと前半でほのめかすなりなんなりしてくれたら、あれもすごくパンチの効いたシーンになったと思うんですが…。

まぁというわけでこれは群像劇として観ればそれはそれでいいかなと。


またマウロ・フィオーレが手がけたカメラがとてつもなくゴージャス。
マジェンタが強めに出るフィルム時代の西部劇のカラーを非常に忠実に再現し、また構図も圧倒的抜けの良さを感じさせる壮大な広角ショットやダイナミックな望遠ショットなど往年の西部劇のいろはを再確認させてくれるようなバリエーション豊かなカメラワークで非常に楽しませてくれました。

そして豪華な俳優陣、デンゼル・ワシントンに始まりイーサン・ホーク、クリス・プラット、ビンセント・ドノフリオそしてイ・ビョンホンなど、みんながみんなキャラクターにあった役作りをしていて、まぁ名演とは言いませんがしっかりとハマっていました。

欲を言うとクリス・プラットがいまいちコメディロールに徹しきれてなかったのが惜しいかな。一番美味しい2.5枚目な役どころなのに…


というわけでこの映画の最大の問題点はシリアスすぎること。

本来なら頭を空っぽにして楽しむべきエンターテインメント映画なのに、出てくる人全員がずっと怖い顔しているので、こちらの背筋も伸びてしまいます笑

このバランスがうまく取れてればもっと良くなったのは間違いないんですが、それでも非常に堅い作りの正統派西部劇だったといえるでしょう。

ウエスタン好きなら有意義な二時間を過ごせること間違いなしです!

トレーラー

IMDb               7.1/10
Rotten Tomatoes           63%
metacritic             54/100

日本公開:2017/01/27

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