2016/11/21

"Doctor Strange" 『ドクター・ストレンジ』

監督:スコット・デリクソン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ティルダ・スウィントン、レイチェル・マクアダムス
撮影:ベン・デイビス
音楽:マイケル・ジアッキノ
115分

まぁまぁかな。

天才外科医であるスティーブン・ストレンジは事故により両腕を自由に使うことができなくなる。自暴自棄になったストレンジだったが、身体の自由を失った男が数年のうちに完全に回復したという噂を耳にし、その男のもとへ。そこでストレンジはなんとも奇妙な話を聞かされる…。


ここんところ当たりばかりのマーベルにしてはまぁまぁな出来。

VFXをふんだんに用いた映像は迫力抜群だし、タイトルロールを演じたベネディクト・カンバーバッチは普段どおりの素晴らしい演技を披露。
高慢でありながら熱意と才能に溢れる、まるでスティーブ・ジョブズみたいな役どころのスティーブン・ストレンジというキャラクターにバッチリとハマっており、相変わらず才能ある役者であることを実感させます。

ただこの映画、個人的には2つ問題点があります。

まず一つ目があまりに世界観の説明が多かったこと。
正直この世界には存在しない概念に基づいた精神世界のコンセプトがこの映画のベースになっているため、まぁ確かに説明しないと分からないっていうのはもっともなんですが、もうちょっと賢い見せ方、説明の仕方があったんじゃないかなと。


そして二つ目はアクションの扱い方がイマイチだったこと。
正直スコット・デリクソンにはこれだけの複雑なアクションシークエンスを捌ききる要領の良さはないように思えました。
この監督が悪いとかそういう意味ではなく、単純にそもそもホラーを得意とする監督なのであまりにアクションの引き出しが少なかった印象です。

先にも書きましたが、この作品あまりにもトリッキーかつオリジナリティ溢れる物理法則に基づいているため、それを「どう描くか」と「どうカメラに収めるか」をしっかりかみ合わせないと見応えのあるものにはなりません。

デリクソンは前者は非常にうまくできていましたが、問題なのは後者。どういう風に撮れば効果的かがイマイチ分かってないように思えました。
というわけですごい映像は楽しめるんですが、いまいちパンチが足りないというか、インパクトのあるショットやフレーミングなどはほぼ皆無だったかな。

そのへんうまくやったのがご存知クリストファー・ノーランの『インセプション』。あの映画はまさしく映像革命だった。
本作にもそういう要素を期待したのですが、あれほどまでにはいきませんでしたね。


まとめるとよくできた映画だと思います。
カンバーバッチはしっかりとハマってたし、これまでまったく触れられてなかったキャラクターをMCUに新たに紹介するという役割を、この作品はしっかりと果たしていたのではないでしょうか。

ただまぁ本音を言うともっとすごい映像が見たかったんですが、欲張りすぎですかね笑

トレーラー

IMDb               8.0/10
Rotten Tomatoes           90%
metacritic             72/100
CinemaScore             A

日本公開:2017/01/27

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